こいつは何と戦っているのだろう?

単なる感想なのだが、ときどき「こいつは何と戦っているのだろう?」と不思議になるひとがいる。どうもこちら側から見えない何かと戦っているようなのだが、姿形が認識できないので、まったくわけがわからない。ときどき流れ弾が飛んできて、とても迷惑である。

無意識にせよ意識的にせよ、人の優位に立っていないと気が済まない人種がいるようだ。一般的に云って、おおむね「優れている」ひとが多いように思う。優れているのでもっと上を目指したくなるのか、そういう基質だからひとより優れているのか、どちらのタイプもいるように思うが、同僚として付き合うのは非常に困難を伴うことが多い。というか、めんどくささを伴うと云ったほうが適切だろうか。

お互いが抑止力を持つことで力の均衡を保つという考え方がある。個人的には、正しいと考えている。もろもろ考えるに、お互いの利益や守るべきもの、そして何より相手が何を考えているのかわからないという状況下においては、そうやって争いが発生しないようにするしか方法がないだろう。たが、よく思うのは、「そういう考え方をするひとって、根本的に戦うのがすきなんだろうな」ということである。お互いがお互いに害しあう暴力を持ちながら均衡を保つなんて、すさまじい緊張を強いられることだ。それが唯一の方法と諦めているのかもしれないが、根本的に「好き」なのだと考えなければ、その緊張に耐えられる理由は見当たらない。

ヒトは哺乳類の仲でもきわめて好戦的な動物だと思うのだが。