具象と抽象

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「身につけたい習慣が身につかない理由と対処するための詳細ステップ」とか、「クリエイティブな発想を逃さないために、日常に取り入れるべき「3つのB」」とか、興味をそそるかんじの記事が多く並んでいる。数日前に書いたSUNRISE Calendarも、たしかこのサイトで見かけた記事が元になっていた。

ひとの興味は、「●●する方法」とか「成功するための秘訣」のような、具体的な手法に向けられがちだが、おおむねこのような記事は「具体的には」役に立たない。ある個人Aが成功したとして、「A以外の誰か」にその方法が適用できるかは誰にもわからない。Aと誰かは別人だからだ。従って、n=1であるような、具体的な手法というのは、現実的にはまったく役に立たない。自明である。

それでもそういう具体的な記事が役に立つのは、読んだ人が頭のなかで「自分にも適用できないかな」と思いながら抽象化しているからに他ならない。誰も、「ここをこうしたら成功するらしい。じゃあ俺もここをこうしたら成功するに違いない」とは思わない。記事を咀嚼し、自分に適用しようと考える。たぶん、ここが大事なのだろう。