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Shewanellaに遭遇する

硫化水素を産生しているoxi(+)のグラム陰性桿菌はShewanellaである。

ときどき不意打ちっぽく出てくるのが、便から検出されるShewanellaである。臨床的意義はよくわからない。

便から出てきたところで、同定する上で問題になることはほとんどない。ほとんどないのだが……知らないとドツボにはまる可能性がある。知っているかどうかで、悩まなくてもいいところで悩まなくて済むという、代表的な菌かもしれない。

便からPseudomonasではないoxi(+)のスムースコロニーを認めた場合、まずはAeromonas、Vibrioあたりを想像するだろう。そのため、それらを鑑別するために、各種テストを行っていくことになる。日頃自動分析機に頼って検査していると……そのときに、つい自動分析機に頼ってしまうのだ。とくにwalkawayを使用していると、IDホールドで引っかかった挙げ句、ほとんどのケースでまともに同定されない(気がする。経験上の話で再現性の高い根拠はないが)。まったくもって、時間のムダである。TSIを使っていれば、3時間後には硫化水素の産生性が確認できて、そこで話が終わってしまうのだが。

  1. TSI……黒/赤。
    • 硫化水素産生のためで、3時間後にはTSIの穿刺部分が黒く変色しているのが確認できる。
    • 確認できてしまえば、そこで作業がほぼ終了になる。方向性さえ定まってしまえば、この菌はあまり悩まない。
  2. SC……Shewanella(-)、Aeromonas(+)、Vibrio(+)。
    • Shewanellaであろうと見当がついた状態で、SC(-)を確認できれば、市中検査室レベルではほぼ間違いないんじゃないだろうか(個人的にそう思うだけだが)。
  3. アルカリペプトン水……0%(-)、3%(+)であればそれはAeromonasではなく、Vibrioである可能性が高い。
    • が、じつはShewanellaも似たようなパターンで発育する。最終的には、生えが悪いが、8%にも生えてくるようだ。V.parahaemolyticusと実にまぎらわしい!
  4. TCBS……Shewanella(-)、Aeromonas(-)、Vibrio(+)。
    • 基本的にはAeromonasはTCBSには生えないとされるが、ときおり生える菌があるとも報告されている。その場合、白糖を分解するため、黄色のコロニーを形成するようだ。自経験例はない。V.choleraeと誤同定しちゃったら恥ずかしいネ!(まずやらないけど)

というわけで、Shewanellaに関しては、基本的には同定キットや自動分析機に頼らずに作業をした方が断然楽である。自動分析機に頼りっぱなしにしていると、わけがわからなくなる可能性がある。

こういう菌に遭遇すると、ああ、基本って大事だなと思うのである。