検査室はOAフロアにすべきである

検査室はOAフロアにすべきである。しない理由が見当たらない。

OAフロアとは、Office Automation floorの略で、別名フリーアクセスフロアなどと呼ばれる、二重床のことである。床下配線に適しており、電子カルテが標準装備となっている現代病院において、床下配線を容易にするOAフロアを選択しない理由は(ほぼ)ない。少なくとも、特殊な理由がないかぎり、二重床にしておいて間違いはない。

配線を床上で行うことは極力避けるべきである。この配線は移動の邪魔となり、機器等の移動に伴い切断等の物理的な危険性を伴うため、極力埋設してしまう方がよい。しかし、HUBなどのネットワーク機器は、管理を容易にするためには床上に出しておいた方が便利である。ネットワーク断が起きたとき、HUBが活きているかどうかを確認するのに、わざわざ床をはぐのは不合理である。このあたりのバランスは、配線業者に任せてしまえばよい。

OAフロアにしてしまえば、電源もまた埋設できるため、配線は非常にすっきりとなる。が、電源タップは床上に出しておいた方がよい。これを床下に埋設すると、タップの部分にほこりがたまり、管理上、よろしくないのである。電源タップは机に貼付けられるよう、磁石でくっつくタイプが配線しやすく便利である。

かように便利なOAフロアだが、排水、上水の立ち上げに関してはあまり自由が利かない。従って、機器をどこに配置するかを早めに確定させておかなければならない。とくに上水に関しては、後から都合で分岐させると水圧が確保できなくなるケースがあると聞く。従って、機器の配置は変更になるたびに水関係のチェックを行った方がよい。電源、ネットワークに関しては、OAにしてしまえば非常に融通が利いて気が楽である。

最後に。
OAフロアの耐荷重の確認は最優先事項である。機器の重さをチェックし、OAフロアが耐えられるかどうかを必ず確認しておく。これを怠ると、経費削減のために薄っぺらいOAフロアが選択され、機器を載せた途端に床が抜けるなどといったアホなことになりかねない。総務課などの事務スペースと検査室は異なるのである。決して、事務屋さん任せにしてはならない。

(ちなみにウチはスロープ部分がうすっぺらく、びっくりした私は機器納品業者さんには必ず鉄板を持ってきてもらうようにしていた。もっともそのあたりはプロで、ああいった運送業者は必須道具として天板を持っているようだ)