小児科の尿定量培養

小児科領域における尿定量培養のカットオフ値は、5×10^4(CFU/ml)なのだという。
あまり気にしたことがなかったのでネットで検索してみると、メルクマニュアルにはどうやらそのように書いてあるらしい。知らなかった。というか、10^5という数字もほとんど気にしたことがなかったので(汗)、小児科領域では基準が異なるということを知らなかったのである。

というわけで、小児科のDrが、5×10^4表記に対応できないかな、と申し入れてきた。まあ、別にマスタ追加するだけだからいいっすヨ。

この5×10^4という値は、経尿管カテーテルを用いた採取による数字であることに留意しなければならない。採尿バッグを用いることでコンタミネーションの可能性が上がるため、通常、採尿バッグによる検体は細菌検査には適さない。バッグの中で時間経過してしまった検体については、常在菌&汚染菌の増殖が見られるし、菌の増殖を許してしまえば、それは検査結果の過剰評価につながる。そのため、基本的には経尿管カテーテル採取が望ましい、ということになる。

が、まあ、全例そうやって採るわけにもいかないわけで。個人的には、採尿バッグによる採取が横行している現状で、5×10^4なんて細かく結果を返す意義みたいなものにも若干の疑問はある。とりあえずは様子見といったところ。