血液培養陽性例

たまには検査技師らしく、血液培養の写真でも載せてみよう。

血液培養(+)事例のグラム染色でこんな像が見えたとき、何を考えるだろうか。何を考えたらよいのだろうか。次に何をやったら、よりよいのだろうか。

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このグラム染色像は、Cryptococcusであった。見た目はまんま酵母様真菌であり、血液培養から出てきた酵母様真菌として中間報告してしまうとややドツボである(間違ってはいないのだが)。グラム染色ではCrypto特有の莢膜を染色することは出来ないが、白く抜けて視認できることが多いので、そういうものだと知っていればほとんど問題にならない。経験上、莢膜と菌体の境目がピンク色にぼやけていることが多く、菌体自体もピンク色に抜けているもの、まだらに染まっているものもある。

このグラム染色像からCryptoを連想できれば、もうほとんど終わったも同然である。あとは墨汁染色で莢膜を確認できれば、ほぼ確定して臨床に菌名を報告が出来る。娘細胞を出芽している像が確認できればなおグッドだろうか。

この症例では、ケモ中のあまり状態のよくない患者さんであった。報告したら、主治医は (´ω`)......ってなったあとに、Σ(´д`;=;´д`)!?ってなって、最終的に(((( ;゚Д゚)))ガクガクブルブルしながら上級医に相談しに去っていった。

治療はAMPH-Bと5-FCを併用するのがスタンダードだろう。腎機能が悪いとすこぶる治療しにくい感染症である。