セシウムさんと半減期

セシウムには134と137があり、それぞれ半減期は2年と30年。ヨウ素131は8日。この数字を見ると「うぇ」となるひとが多いのではないだろうか。

すべてとは云わないが、ネット上で溢れている多くの記事・多くのケースで半減期を無視しているように思う。単純に一年換算すると、半減期の分だけ過剰評価になりかねない。しかし、次から次に放射性物質が供給される現状では、半減期はあまり意味をなさない概念かもしれないとも(少しだけ)思う(真面目に考えても意義に乏しいという意味で)。

セシウムはカリウムと同じ挙動で体内に取込まれて……という議論も時折見かける。137など30年の半減期をもつわけだから、体内被爆はきわめて危険だ、と。そのとおりである。だが、セシウム137が体内に取込まれて、30年間体内にもち続けるわけではない(プルシアンブルーなどで吸着されたものは除くが)。生物学的半減期、つまり生体内から代謝されて外に出て行って、体内濃度が半分になる時間は、およそ70日〜100日、場合によっては200日程度だとされる。一年に満たない。従って、数字から受けるインパクトをそのまま鵜呑みにすると、過剰評価になる。ちゃんと計算し、評価することが必要だ。

ちなみに、131が450ベクレル/kg、137が450ベクレル/kgの肉を一回1kgがっつり食べると、およそ14μSVの被爆量になるそうです。この数字はどうやら生物学的半減期等がちゃんと考慮されているとのこと。私は1kgの肉なんてとても食べきれないもやしちゃんですが、人間が受ける自然被爆が年間2.4mSv(ミリシーベルト)、単純計算で年間140kgくらいは食べてもへっちゃらっぽいです。

……年間そのくらいは食べるかな?ま、自然放射線と同レベルだから大丈夫だというつもりはないけど(同レベルなら合計は2倍になる)、しかし、計算してみると、世界が終わるほどのインパクトはない。もちろん妊婦さんだとか子供だとかは個別に検討しないといけないけれども。