血小板が減少する

抗生剤は副作用が少ないと思っていると、意外に見落としてしまいがちなのが「血小板が減少する」という現象。……見落としてしまいがちというか、うん、まあ、ぶっちゃけよく見落としているひとがいるのを見つけるわけなんですけど、LZDがその薬剤だったりします。腎機能が悪いときのMRSA対策用、という認識でやたら外科がホイホイ使うのですが、「心配だから」という理由で使っているケースが多く、ときどき血小板減少を起こして首をひねっているのを見かけます。このケースで怖いのが(というかはまりやすい気がするのが)、「血小板減少」=「DIC?」という思考パターン。こっちにはまると、抗生剤を切るという選択肢が永遠になくなります。

どうも外科を見ているとよく思うのですが(外科に恨みはない……と思う。げふんげふん)、「感染症の治療期間」という概念をまったく無視した抗生剤の使い方をするのですね、彼らは。炎症反応がー炎症反応がーレントゲンがーレントゲンがーと云いながら培養を繰り返すのが彼らの常なのですが(恨みはないぞ)、おおむね相談されたケースは、とりあえず抗生剤を切ってみるという選択肢を提案します。治療期間が充分取られていて、客観的に抗生剤が「外して」いないと判断できる場合、さらに患者さんが安定している場合、抗生剤を切るという選択肢はかなり上位に入るはずです。これ以上は検査技師の職域範囲外かなあと思うのですが、なんとなくLZDなどを使い続けるなどという選択肢がよい選択なわけはなく、提案する価値はあるかなと(個人的には)思っています。うーん、まあ、ちょっと微妙ですけど。

心内膜炎にMEPMとか、冗談みたいな投薬を見たことがありますヨ。そーゆーのは、薬剤部で体張ってでも止めてください。