MICの縦読み

感受性試験結果をざっと見て、MICのいちばん低い薬剤を選択する医師がいる。こういう結果の見方を、誰が云いだしたのかは知らないが、「MICの縦読み」という(らしい)。とても印象的なフレーズなので勉強会では必ず使うし、ときどきルーチンで結果の説明をするときにも使っている。わりとニュアンスが伝わるいい表現だと思う。

しかし、このMICの縦読みがなぜダメなのか、これを説明するのは意外と難しいように思う。なぜ「ダメ」なのか、これをきちっと説明できなければいけない。もちろんいくつも理由はあるのだが、なぜ「MICどうしを見て比較してはダメ」なのか、これだけに焦点を当てて説明するのは、ちょっと難しいかもしれない。最終的には、「歴史的に見て、こっちが効果も高く第一選択薬としての実績があるから」ということに尽きるのだが、論理的に説明するのはどうしたらいいのだろう……

ウチのMEPMの使用率が異常に高くなってきている。薬剤部のみなさまは仕事をこれ以上増やしたくないらしく、まったく当てに出来ない&頼れない(頼りない)ので、次の勉強会でMEPMの耐性化について話すことにした。で、その絡みでde-escalationについてもまとめて説明するつもり。ちゃんと勉強会らしく、科学的な根拠とすっきりした説明と、全体的なしなやかさがしっかり同居した内容にしたい。