脱原発は可能か否か

これについて、私は検討することが出来るデータを持たない。調べれば出てくるだろうが、調べるつもりは(いまのところ)ない(他にすることがありすぎる)。

しかし、いま私が働いている場所は「電気がないと絶対的に困る」場所、すなわち病院である。電気がなければ生命が続かない、そんなひとがいっぱいいる場所である。だから、電気が足りなくなる可能性があるのであれば、そのリスクを許容することは出来かねる。もちろん普通、病院では停電時の代替手段を用意しているが、それはあくまでも出力を一時的に落として稼働させる非常手段でしかないのだ。もちろん検査技師である私も、電気がこなくなれば、おそらく何も出来ない(分析器が動かないし、そもそも孵卵器の温度が一定に保てない=培養できない、顕微鏡の光も灯らない)。

しかし、昔に比べて、やはり電気の使用量は大きくなったのではないか?技術的な省エネルギィの効果は絶大だと思うが、日本中でPCが動き、電車が動き、オール電化が動きするこの社会で、脱原発が可能なのかどうか、本気で検討し、調べる必要があると思う。

絶対に安全なエネルギィなどない。しかし、原発はエネルギー単位当たりの死者数が少ない。事故が起こらなければ、平常時の運転において、原発はきわめて効率的かつ安全なシステムで稼働している。問題は事故が起きたときにきわめて甚大な被害をもたらしうるということだが、このリスクを認めることが出来なければ、原発は日本中から駆逐されるべきなのだ。要するに、どの程度リスクとメリットとデメリットを許容できるかを、いま利用者が問われている。

……とか何とか云ったって、原発は作るときのコストがバカみたいに高いから、稼働させてから長い間運転させ続けないと意味がない、そーゆー別の要因どもが議論をややこしくしているのだ。純粋な形で議論することは、おそらく未来永劫出来ないだろう。私はこれについて、明確な意見を持たないが、もし国民投票になれば、原発を維持する方に投票するのではないかと思う。ただし、その監視には、何らかの形で第三者的な監査が必要だとは思うが。