結核菌塗抹検査の至急呼び出し

また呼び出されたヨヽ(`Д´)ノウワァァン!!

おかげで今月のまとまった休みがすべて潰されました。検査技師の立場で云えば、個人的には時間外の結核菌塗抹検査の至急対応ってのは「意味がない」気がするんですが、現場の主治医からすれば、やはりそうも云ってられないんでしょう。まあ行って対応したら感謝していただけますし、勉強だと思ってほとんどのケースを断らないんですが。

でも、お断り……というか、相談の上、必要ないのではないかと相手を説得することもあります。逆に、受けるケースは以下の三つ。

  1. 主訴が結核であるケース
    • 明らかにどーでもよさげな除外目的の場合は説得対象にしています。慢性の咳、痰も場合によりにけりですが、痰の性状がよいことがわかっている場合は受けています。
    • グラム染色で起炎菌がはっきりするケースもあり、これはこれで感謝されますし勉強にもなります。生化学データを確認し、抗生剤を考え、場合によっては主治医と話をし、抗生剤を決定します。自分の訓練になります。
    • どちらにせよ、「主訴が明らかに結核」というほどはっきりしていたら見えていようがいまいが結核病棟行きなので、結論は変わりません(つまり、受ける意義はありません)。
  2. 結核病棟の個室がいっぱいのケース
    • ほとんどのケースで除外目的です。これで当たりを付けて、陰性なら一般病棟に入れようという腹ですね。検査技師的には、もっとも恐ろしいケースです。
    • 塗抹の結果で、患者の行き先が決まるわけです。塗抹陰性であれば一般病棟行きになりますが、仮に培養で出てきたところで「排菌患者ではない」という形になります。うーむ。
  3. 鑑別診断で結核があがり、どちらとも区別がつけにくいケース
    • 感染管理上は、結核病棟に放り込め、という結論になると思います。従って、する意義はあまり高くありません。結核はそれを疑う以上、違う病気だとはっきりするまでは結核です。このケースを受けるのは、グラム染色とドクターの話を聞いて、自分だったらどう判断するだろうかという自分の訓練のためです。


総じて考えると、塗抹検査の感度の悪さを考慮すれば、時間外に技師を呼び出してまで至急で鏡検したからといって臨床的なマネジメントが変わるとは思いません。意義、という点で云えば、かぎりなく低いのではないかと考えています。おそらくそれでも呼び出されるのは、主治医がカルテに何か一筆記載したいためではないかと推測していますが、いかがなものでしょうか。

まあ、後だしじゃんけんで「なんで入院のとき…」と責められるのがイヤだ、というのもあるんでしょうけど(そして私もそう云われるのが嫌だから、対応できるときは対応するのであります)。