タクティクスオウガ・運命の輪をやってみたよ(面白くなかったよ)

久しぶりにちょっとだけ時間が出来たので、以前から積んであったタクティクスオウガ(PSP版)をやってみた。……あ、あれえ?このゲーム、こんなに面白くなかったっけ?

やってみていちばん驚いたのが、ユニットに個別のレベルがないのである。クラス(ユニットの職業みたいなもの)ごとにレベルが設定されており、たとえばナイトがレベル6のクラスであれば、どんなユニットでも転職後はレベル6なのである。これには驚いた。つまり、いままでの「ユニットを育てる」という概念がほとんど意味をなさないのである。これ、どーなんさ?

そして、ユニットを安全に育てるための「トレーニング」が、今作では存在しない。

個人的には、以前にあった「トレーニング」は嫌いじゃない。というか、1レベルからはじまる新規雇用ユニットを、バランスと専門を考えながらクラスチェンジさせて育てていく、あの感覚がこのゲームの醍醐味だと思っていました。その醍醐味を奪われたのは、個人的には非常に残念な気がします。制作側からすれば、たぶん作業感覚になりがちな「育成」を極力省いて、いまなお秀逸と評価されるストーリーを全面に押し出す意図があったのでしょう。あったのでしょうけど……シミュレーション「ゲーム」なのだから、ゲーム性を奪うような改変はやめてほしかったなあというのが、正直な感想です。

で、人間型ユニットがむちゃくちゃ弱く、ストーリィに絡む重要なキャラクタユニットがアホほど強く、モンスター型ユニットはそれに輪をかけて強い、と。これ、ぜったい調整ミスだよね?俺がへたくそなせいじゃないよね?ね?

というわけで、リメイク前をアホほどやりこんだ私にとってストーリィはもう堪能し尽くした要素であり、私が重要と思っていた部分を奪われた本作には、なんの魅力も感じないのでありました。がっくり。

  1. ユーザインタフェースがすさまじく悪い。もう最悪と云ってもいい。
    • 装備の類いでどれくらい能力値が変わるのか、購入前に判断できない仕様。非常に不便だが、これはまだ我慢できないこともない。
    • スキル画面が非常に見にくい。カーソル位置が紛らわしいため、慣れないと勘違いしやすい。が、慣れれば我慢できないことはない。
    • ユニットを移動させた後、何もすることがなければ「待機」になるが、移動→待機のコマンドを選択するのに、一回以上カーソルキィを操作しないといけない。まあ、これはワガママというものかもしれないが、一度でも遊んでみりゃ、移動→待機がかなり頻度の高い操作であることは想像がつくはず。これもまあ、慣れれば我慢できないことはない。
  2. ナイトが回復魔法を唱える!これにも度肝を抜かれた。
    • もはやクラス毎の特徴というのが見当たらない。スキル要素があり、それによってユニット毎の特徴付けをしようとしたのかもしれないが、却ってクラス毎の特徴をスポイルしている気がする。
    • 意外な敵が魔法を唱え、遠隔攻撃をしてくる。前作も弓が強かったが(もっとも苦労したマップはアロセールが出てくるアシュトンだった)、それとは別の脱力感を誘う。
  3. もはや異常と云ってもいいくらいAIがアホである。アホの子がたくさんいる。
    • ちょっとでもダメージを与えたらすぐに回復に走る。
    • こっちが弱いのか仕様なのか、ちまちまダメージを集中させて頑張って削っているのにヒールで回復されるとすごく萎える。このゲーム、モンスタ型ユニットで構成したらそれだけで最強である。
    • 前作ではハボリムがアホの子の代表だった気がするが、今作ではみんな平等にアホの子である。

一個一個は我慢できないことはない。しかし、これがすべて揃うのはちといただけない。

というわけで、期待していただけに落胆も大きく、もはや悪いところしか目につきません。かわいさ余って憎さ百倍というやつでしょう。

FF14もそうですが、スクエニはもはやゲームを作る能力を失いつつあるんじゃないかと思います。全然だめだとは思いませんが、少なくともタクティクスオウガはリメイク作として期待される水準に達していないのではないかと思えました。タクティクス出したんだからオウガバトルサーガの続編が出ることを期待しています。