監視培養に効果はあるのか?

アカデミックなエントリではないので悪しからず。

文献を読んでいるとときどき出くわすのが、「積極的な監視培養を実施している北欧諸国ではMRSAの感染率は低い」という文言。これはどうかなーといつも思うのですが、監視培養を実施しているからMRSAの感染率、検出率が低いわけじゃなくて、もともと数が少ないから監視培養をすると監視培養のメリットだけが生きてくるだけの話じゃないかなぁー、なんておもうわけです。

院内の検出率がすでに6割とか8割とかゆーてる国に監視培養をすると、とうぜんごろごろと見つかるわけです(どこで実施するかにもよりますが)。北欧の場合はもともと検出率が非常に低いため、見つかったら厳重に隔離して特別扱いする余力がある。日本の病院で同じことをしようとしたら、とんでもないスペースとベッド数が必要になるんじゃないか、とんでもない数のナースが必要になるんじゃないかと云う気がしないでもありません。別に監視培養をしているからMRSAが少ないわけではないとおもうんですが……にわとりが先か、卵が先か。まあ改善したいと云う意思がなければ改善なんて望めませんので、無駄だといって切り捨てるつもりはないんですが、北欧の話を持ってきて監視培養を語るのはちょっと反則な気もします。

一度悪化しちゃうと、なかなか取り戻せないんですよねえ、環境って。