たとえば院内構造の問題点

最近、ペニシリンをちゃんと頻回投与する医師がちらちら出てくるようになりました。まあまあ、いい傾向です。

ペニシリンといえば半減期がすこぶる短い薬剤なので、頻繁に投与しないといけない薬剤の代表格です。なのにそれが為されていない。これは大問題ですよね。この理由はいくつかあるとおもうのですが、ときおり聞くのは、看護師さんの業務量が増えるから、という理由。これはやってはいけない大きな間違いです。業務量の問題で、標準的な医療、科学的な根拠に基づいた医療を放棄してはいけない。

この問題は構造的な問題で、結局は人不足に起因する所が大きい、複雑な問題です。最終的な結論は、「そのような適切な医療にインセンティブがないから」。治ればいいじゃんというのもわからないでもないのですが、たとえば抗生剤の適正使用に対するインセンティブがないことで、適正使用に関するあれこれの制度は「ただのめんどくさい何か」になってしまいがちです。別に直接的な報酬でなくてもいいんですが、とにかく目に見える明確メリットがないので、それが結局構造的な問題の支柱になってしまっているのかな、と。

まあ、ABKとLZDをやめて、肺炎球菌をすべてPCGで治療したら、年間ですごい額が節約できると思いますけどねー