不適切なQFT検査

検査技師の立場から云うと、ちょっと待て、と云いたくなるニュース

m3.comで大阪府のQFT検査に不備があった(というか、組織培養プレートを使わないといけないのに微生物培養プレートを使って検査をしていた)というニュースが流れていましたが、その後、他府県でも似たような事例があったというニュースです。

(前略)
 ところが今年1月、大阪府の保健所が本来使用すべきプレート(組織培養プレート)ではなく、別のプレート(微生物培養プレート)で検査していたことが判明。大阪府からの報告を受け、厚労省が全国の都道府県や政令市、特別区を対象にQFT検査の実施状況について調査したところ、兵庫県、岡山県、広島県、香川県、広島市、倉敷市(岡山県)、福山市(広島県)、江東区(東京都)でも同様の事例が確認された。
(後略)

あきませんがな(汗)

QFTは魔法の検査みたいな扱いを受けていて、どうにも濫用気味な検査なんですが、それだけに影響は大きいかもしれません。該当する県の関係者は、どの程度の影響があるのか、確認が必要かもしれませんね(本来陽性なのに陰性と判定されるケースがある。大阪府はそれで疑問を持った医師が他の検査所で確認して不備が見つかった)。

まあ、QFTの結果だけで治療方針が定まるケースは……潜在性結核の治療くらい?どうしても菌が分離できないけど、レ線やCTで結核が疑わしいケース……はQFT陰性でも治療するかな。こういうケースだと、QFT陰性だったら様子を見ましょう、ってことになるのかな……でも高齢者だと反応はあまりアテに出来ないし……ぶつぶつ。


なんだか久しぶりに感染症カテゴリ書いた気がするなあ(汗)