忙しすぎて目が回った

ぐるぐる〜。

新しい機械がやってきた

文字通り、機器更新で血液培養の機械が新しい機器に変更になりました。万歳。

現行機がかなりの高齢でいつ壊れるかもしれないという状態だったため、以前から要望だけは出していたのですが、ようやく希望が叶って納入という運びになりました。そのため、それに伴う案内や説明文書などを作るのに大わらわ。病院の年報編集委員なのでその作業と相まって、夜勤明けでも昼近くまで帰れないという過密スケジュールっぷりです。ぶっちゃけ、死ねます。ってか、各所に依頼した原稿が帰ってこないし。それも回収してまわらなくっちゃ……

Google Scketch up

ワケあってScketch upを学習中。これはとても面白いソフトですね。ちょっと操作がややこしくて覚えないといけないことが多めですが、使えるようになったらそれなりにサクサク作業が進みそうな、わりかし直感的な操作性かなと思います。図面を引いたりしないといけないひとは触ってみると面白いかもしれません。無料版でほとんどのことが出来るようなので、ぼちぼちチュートリアル見ながら習得していく予定。どうせ明日は台風直撃で身動き出来ないし、偶然だけどちょうど代休振ってあったので、いい機会かもしれません。二度と使うことなさそうだけど。

GBSによる感染性心内膜炎

明確な理由なく繰り返すグラム陽性球菌感染症には主治医が妖怪アンテナたててください。何かがおかしいと思えるかどうかで、患者さんの運命が変わります。繰り返すGBS感染症(血培陽性)、炎症反応はそれほど高くなく(むしろほとんど陰性)、これを見逃すとまた抗生剤で何となく治療→2weekくらいで退院→数ヶ月後に再発して入院→エンドレスループ→縦隔炎を起こして二進も三進もいかない、なんてことになりかねません。ときどくIEは歯を抜いた後にしかならないと思っているひとがいますが、グラム陽性球菌だったらどんな菌でも起こりえますので注意しましょう。(グラム陰性でも起こりますが、非常に稀な部類だと思います。ごくまれにカンジダも……)

数ヶ月前にも同じ菌で菌血症を起こしていたので主治医と相談し、IEの方向性でvegetationの検索はやってみてくださいとお願いしていたのですが、経胸心エコーでvegetationがひらひら動いているのが見つかったようで、その場で抗生剤をPCGに変えて治療開始にしたようです。よかったよかった。ここで見つからないとまた経食心エコーをやるのやらんのとややこしいですし。

何を持って梅毒疑いとするのか

いや、ちょっと考えまとまってないうえにうろ覚え多数なのであくまでも雑記ネタなんですが……

こう、私自身は術前の梅毒のスクリーニングって必要ないと思っているんですが、ちょっとだけ考えさせられる出来事がありまして。主治医から相談を受けたのですが、骨折で運ばれてきた患者さん、その処置のための術前検査で梅毒が陽性。梅毒は基本的にRPRで活動性を測るわけですが、この検査結果は本当に「意味のある結果」なのか、といった内容でした。というのも、RPRの反応が数値的にカットオフぎりぎりの弱い反応だったので、偽陽性などを疑っているのだとか。

梅毒って培養できないので私もあんまり詳しくないのですが(使わない知識は忘れる)、RPRが真の陽性だったらいちおう感染性あり、です。だから、まあ、気をつけましょう、ということになる。と同時に、梅毒の治療も必要なはずです。で、治療が必要な活動性梅毒以外はRPRが陽性にはならないはずで、梅毒バリバリの患者さんをオペしたりしないだろう、まさか見逃したりはしないだろう、とまあ、私はそう思っていたわけです。

ところがこのケース。検査結果は当てにならないと判断して主治医からいろいろ話を聞いてみると、どうもコケて骨折するちょっと前から急激にボケた、らしいんですね。割と早いペースでボケて、家族も少しおかしいと思っていた。そうこうするうちにコケて骨折、ウチに運ばれてきたわけですが、このケースだと梅毒は見逃される可能性が高いです。骨折ばかりが目立ってしまって、高齢者ということもあって「なぜコケたのか」がおざなりにされがちだからです。もしこのケースがほんまもんの梅毒だったりすると術前検査のお手柄なわけで、うむむと考えさせられました。こんかいがそうだとは云いませんが、シチュエーション的に「アリ」だと思うからです。

私自身、これ以上どうやって梅毒を精査するのかよくわからなかったのでこの話はここでおしまいになったのですが、これ以上詰めようもないってときに若干日和ったオプションのひとつとして、「診断的に治療してみる」ってのを提案してみました。どうせ使うのはPCGですし、まあ、害はあまりないかな、と。

結論がどうなったのか、これは知りたいですねえ。