発熱外来を廃止の方向へ

あれま珍しい、冷静な対応を始めて見たわ(苦笑)。ソースはここ

以前から書いているとおり、本当に必要なことは発熱外来という「ツール」ではなく、感染症に対する知識と行動力です。そういったより正しい態度と間違いを正してよりよいものを求めていく姿勢にこそ、感染防御の力が宿ります。本当に必要なのは、有事の際だけではなく、常に実施される「発熱患者をどう扱うか」という試行錯誤であり、私自身は「発熱+呼吸器症状を有する患者」を適切に扱う技術と知識だと考えます。発熱患者のトリアージが出来ること、が、最低ラインだと思いますね。難しいことですが、何かに頼って(たとえば発熱外来みたいな特殊な機関を設置して)対処しようと云う考え方自体が間違っていたのかとも思います。現場はかなり疲弊しましたしね。

マスクが感染防御に必須だという誤解がマスクの品切れという珍現象を生み出しましたし、SARSのときはアイソレータなんてものも登場しました。ご存知ですか?ガラス製の搬送用ボックスですが、該当患者を搬送するための特殊な感染防御用の、文字通りのボックスです。自治体がこぞって購入したそうですが、まったく不要な代物です(空気感染 or 飛沫感染の疾患が蔓延したら、いずれそんなもので対処しきれなくなるのは明白。PPEを購入したほうがナンボかまし)。陰圧テントなんかもそうですが、ものに頼る考え方、これさえやっていたら大丈夫だという考え方自体はただの思考停止です。世の中、そんな甘くない。

そしてその上で、アウトブレイクが出たらアウトブレイク用の対応を、重症者が出たら重症者用の対応を実施していけばいいのです。普通の患者さんの診察と何が違うというのでしょうか。誰が判断するのか?専門家が判断したらいい。専門家と云えるヒトがいなかったら?病院の責任者がやればいい。そのための責任者です。あとから見たら絶対に欠点や失敗、間違いが見つかるでしょうが、それは次に備えて是正すればよい。そういうもんじゃないでしょうか。