呼吸器症状があって発熱する患者

こうやって考えると、風邪って奥が深いんだなあと思います。

カナダの保健省が、「急性呼吸器症状があって発熱している患者」に対して、全例N95をつけるというガイドラインを打ち出したそうです。現場ではN95が足らずに、ちょっとした混乱になっているのだとか。たしかに「呼吸器症状+発熱」では麻疹、結核など、N95を必要とする感染症も鑑別に挙がります。その意味から云えば、全例N95というのは必要なことなのかもしれません。しかし、いろんな面でのバランスが取れるのか(供給やコスト)、全例はちょっとツライかも。

日本でも、そういう「発熱呼吸器患者」を専門的に見る部署が必要なんじゃないかと思うことはよくあります。個人的には、発熱トリアージが出来る看護婦さんが必要だと訴えていますが(患者さんをトリアージして、診察までの待機時間を調節したり、マスクをかぶせたり、個室に移動させたり、適切に患者さんを扱う看護婦さん、くらいの意味合い)、全例一律にするとツライので、そういう峻別は必要かなと思います。秋に向けての課題でしょうか。

日本のトンフルは、現在Flu trackerで確認出来る確定症例数は417例です。もう治ってきているひとも大勢いるはずなので、その意味で累積症例数に意味はありません(=感染の広がりではなくなってきている)。静岡でも確認されたそうなので、これからもじっと観察ですね。