トンフルの動き

5月21日現在、Flu trackerで確認出来る確定症例数は271例。地域的な広がりは、大阪府、兵庫県、滋賀県、東京都の4エリア。

「徐々に広がっていっている」ように見えますが、やっぱり少ない。みんなこれだけしゃかりきになって探しているのに、確定症例数が少なすぎるように思えます。ひとつ不思議に思うのが、たとえばいま現在、ラボのRT-PCRの処理能力は、一日に数百の検体を捌けたら御の字ってところなんですが、感染研に頼らずとも地方の衛生研究所で処理していいよとなっている現在、兵庫県の検体を周辺地域の衛生研究所で分散して処理したら、それほど苦にはならないと思うのですが……分散処理してもこれだけ確定に時間がかかるのかな。それはそれで問題だし、もし自治体間の政治的な問題で検体のやりとりできないのであれば、それは将来に向けた課題でしょう。

なんにせよ、とりあえずさっさと新型から季節性インフルへと、方針転換をするべき時期なわけで、神戸市の対応は国の一歩先を云っている、結果的にいいモデルケースになっているように思います。PCR検査も、もはや全症例について行うべき時期ではなく、神戸市が切り替えたように、定点観測で十分なのではないかと考えられます。驚くべきことに、もともと麻疹だって定点観測だったのです。厚生労働省は「把握が出来なくなる恐れがある」とか云ってしぶっているようですが、社会的、国際的な重要度から云ったら、麻疹だって十分に全数把握に値する疾患だったわけで、いまの弱毒性新型インフルは騒がれすぎているという印象を持ちます。(海外の研究者にとっては、麻疹の流行がまず信じられない現象だと云い、次に麻疹の数が定点観測で正確に把握されていないことに驚く。日本人にとって麻疹は「いつか絶対にかかるもの」という感覚なのだが、麻疹は世界的に見て、患者を見つけたら学会で症例報告出来るくらいに珍しいものなのである)

これで死者が出たりしたら、いったいどうなるのか。相当に恐ろしいものがありますね……