トンフル雑感

いままでトンフル関係の情報を連続で掲載してきましたが、そろそろ情報の出方も落ち着いてきたのではないかと感じます。Flu trackerを見ていると、やはり人の往来の激しい、いわゆる工業先進国という国での感染が目立ち、人口密度の高い場所での感染拡大が因子として大きいように思います。メキシコで死亡者数が多いことについては、誰も結論を出していません。これは疫学調査などがしっかりとなされれば、それなりに理由付けが行われるものと思います。

こんかいこのトンフル騒ぎで思ったのが、やっぱり日本は「技術的に発達した国なんだなぁ」ということです。医学が発達しているので、たいていの病気は病院に行けば治療してもらえます。すべての病気が治せるわけではありませんので、結果的におなくなりになる方もいらっしゃるわけですが、それでも貧困で亡くなる方が大勢いらっしゃる国とはやはり違う。病院にいけば治してもらえる、と、みんなが思っている。そういう国なのかな、って思うわけです。

治してもらえるのが当たり前、自分に都合のいい結果が出るのが当たり前、悪い結果は誰かの責任、少なくとも誰かに責任があるはずだ……そんな空気が当たり前の国になっちゃったのかな、と思ってしまっています。厚生労働省や関係部署は日夜検疫業務などで目がまわるような忙しさだと思いますし、最大限がんばっていただいているのだと思うのですが、それだけではどうにもならない部分があるのは当たり前のことです。にも関わらず、何か見落としがあったりしたら、あとからねちねち批判されるんだろうなと思います。ちょっとかわいそうです。プレスも海外では疑い例は居住地域などの個人情報は出していないそうですが、日本ではばっちり出ていますね。いままでの疑い例は、横浜、名古屋、三鷹です。これも出す必要は(本当は)ないと思うのですが、出さないと国民が納得しないわけです。知ったからどうなるというものでもなく、日常からマスクをしていれば問題なく、また発表がないから感染者がいないわけではなく、その点からも疑い例の居住地情報発表にそれほど大した意味はないと感じます。確定例は必要だと思いますが。

冷静なようでいて、ところどころにヒステリックな反応があるのは、結局慣れていないからだろうなと思います。厚生労働省もそうですが、国民も、です。というか、国民が慣れていない、ようするに平和な国だったんだなあと有事(といっていいのか)の際には思いますね……