出雲に行ってきたよ

というわけで、出雲まで小旅行に行ってきました。残念ながら、写真はありません(あはは)。

出雲と云えば出雲大社、大国主なわけで、とりあえず出雲大社を最優先に、あとは意宇六社(おう ろくしゃ)をできるだけまわろうという計画を立てていざ出発。意宇六社はみなさんご存知ですかね?大雑把に云って松江市のあたりが意宇郡だったようですが、いまはもう合併されてなくなっています。意宇六社はそれぞれ出雲の神話に関わりのある神様を祀った神社で、そのまんま「六社さん」とか呼ばれているそうです。

私が行ったのは、出雲大社、八重垣神社、揖夜神社、熊野神社の4つ。他はまわりきれませんでした。云っちゃ何ですが、あそこまで交通の便が悪いとは思ってなかったです(苦笑)。こんどからちゃんと時刻表を調べてiPodに入れておこう。

出雲大社は、云わずと知れた大国主ですよね。出雲という大国の王、または意宇(おう)の国の王とも。天津神の王たる天照大神が天の象徴であるのに対し、大国主は大地を神格化した神だとされています。多くの別名をもつ、ややこしい神様です。国譲りでニニギノミコトに出雲の国を譲って、最終的には出雲大社にひっこんでしまいます(出雲大社の建立を国を譲り渡す条件にした)。この出雲大社の宮司さんは出雲国造と呼ばれ世襲されていますが、その始まりは天照大神の子であるアメノホヒノミコトです。つうことは、この出雲国造である千家氏も天皇家と同根ってことになるわけですか?うーむ。

ちなみに10月を神無月といいますが、出雲では神有月というのも有名な話。一般には日本中の神様が相談をしに集まるためだ、という説がありますが、なかには国津神だけ集まるという説があったり、天津神も全部集まるのだという説があったり、いろいろなようです。この神在祭では、みんなひっそりとして外に出ちゃ行けないというしきたりがあるらしく、お祭りなのに変な話です。まるで葬式ですね。大国主の葬式でしょうか。それなら、国津神だけが出席するのがスジかもしれませんね(苦笑)。

あとは八重垣神社ですかね、面白かったのは。ここは鏡の池が有名で、よく女性のグループが将来の結婚運(?)を占いに来ているようです。詳細はググるさんにでも聞いてください。私は男一人でしたので、恥ずかしくてようしませんでした(笑)。

いや、でも、あれは女性同士のグループでやってもビミョーだなー。片方が悪い結果だったりすると、はてしなく気まずいなー(笑)。

私がこの鏡の池に行った時も、3グループくらいに出会いました。平日なのに、です。けっこう人気のスポットなのですね。とても不便なところにあるのですが、来たい人は来るということでしょうか。静謐な空気と荘厳な雰囲気の、なかなかいいところです。うっそうと茂った森の奥、雰囲気を壊さない程度に人の手が入って、なかなかに快適な場所なのでした。

ところが、前からやってくる女性のグループ、ちらちらと後ろを見ながら、まるで何かから逃げてくるような感じで足早にこっちに歩いてきます。何かおかしい感じです。ひそひそ、ちらちら。次のグループも似たような感じでした。あれ、おかしいな、何かあったのかなと思いながら、私も鏡の池のほうへ。鏡の池は須佐之男と奇稲田姫の八岐大蛇退治の話で出てきます。それなりに楽しみにしていました。

そのひそひその原因はすぐにわかりました。鏡の池に向かってちょっと進むと、やがて白い人影が見えてきました。木々に囲まれた社の前に陣取って、何やら声を張り上げている様子。視力の関係で、細かいところは見えません。私は、「あ、巫女さんかな」と思いました。なんせ社の前に陣取って声を張り上げている、白っぽい格好をした女性(声で分かった)です。巫女さんが何かの神事を執り行っているのかと思いました。ラッキィです。どうせ観光に来るなら、そういうイベントがあるときに来たいと思うのは観光客の常でしょう。とくに調整もしていないのにぶちあたったのはラッキィ以外の何物でもありません。

さて。

社の前でろうろうと声を張り上げている巫女さん(推定)。その内容は、おそらく八岐大蛇退治関係の何かだろうと思いました。聞いてもわからないだろうなと思いながら耳を澄ますと、おぼろげながらに内容が把握出来ます。


須佐之男の尊と奇稲田姫がセッ○スしてー」(原文ママ)

おおう。

「醜男と醜女がセック○してー」(原文ママ)

マテマテマテ。

「多くの神々と○ックスしたわけですー」(原文ママ)

いや、いや、いや。もうわかった。ちょっと落ち着け

この巫女さん(もどき)に何があったのかはわかりませんが、声に憎悪がこもっています。社のほうに向かって浪々と声を張り上げ、呆然としている私のほうなど気にも留めません。いや、気に留めてもらっては困る。もうむしろスルーしてください。お願い。

くるっ(こっち向いた)。

ヒィィィィ!

もろに目があってしまいました。こっちをガン見です。そしてさらに続けて曰く、

「ち○ち○がぼこぼことー」(原文ママ)

マテ。

「○ん○んがぼこぼことー、いっぱい○ックスしてー、神様が生まれたわけですー」(原文ママ……だったかどうかもうわからん)

マテマテ。落ち着け。

「ち○ち○ぼこぼこ ち○ぼこぼこー」(これは原文ママだ!)

落ち着けっつってんだろぅが!


そこまで聞いていたたまれなくなった私は、そうそうに鏡の池をあとにしたのでした……

帰りにカップルとすれ違いましたが、彼らがどんなリアクションを取ったのか、それとあの仲睦まじいカップルを見てあの巫女さん(じゃねえな、きっと)がどのような反応を示したのか、それは神のみぞ知るといったところでしょうか。いや、まあ、ちょっと見てみたい気もする……

あとの揖夜神社とかは、かなり真面目な神社でした。さい銭泥棒みたいなおじいさんが、賽銭箱をじゃらじゃらやっていたことを除けば。……あれは宮司さんだと思いたい。宮司さんが賽銭箱の掃除をしていたんだ、きっと!ぜんぜんそれっぽくなかったけど……

熊野大社では黒っぽい女性に後をツケラレマシタ。人気のないところでくるりとUターンしたら女性もくるりとUターンして、どこかぜんぜん関係ないところに歩いていきました。あれはいったい何だったんだろう……


全体的に、かなり不思議な出雲紀行でした。うーん、宿代ケチって一泊にしてもよかったかな……