患者になった検査技師6

さて、入院中の記録をひっぱりだしてきて読んでみたのですが、ただひたすらに「ヒマだ」と書いてあります(笑)。まあ、正直な話、あまりにもヒマだったので、ほとんどゲームしていた記憶しかありません。あとは本を開いて勉強していたか、どっちか。「世界樹の迷宮」してたので、ほとんどゲームだったんじゃないですかねぇ。微熱以外にほとんど症状がなかったので、ほとんど「隔離される」ためだけの入院でした。

排菌患者が即入院になるのは、ただ単に「菌をばらまかないため」です。患者さんの状態は二の次。もちろん入院を要するほど衰弱していたら入院するのは当たり前なんですが、どれだけ健康ですと言い張ろうと、排菌があれば入院は避けられません。私も避けられませんでした(笑)。従って、退院する基準も「痰に菌が出なくなる」ことが最低の必須条件です。どれだけ健康であろうと、痰に菌が出続けていれば、退院することは出来ません。これは日本全国共通のことですね。あとは患者さんの状態や社会的な条件を考慮に入れた上で、退院するかどうかが判断されます。従って、入院期間はそれぞれです。最短で3週間程度、最長で年単位、ってところでしょう。結核と診断されて入院しなさいと云われたらまず気になるのが入院期間ですが、これは主治医の先生の判断による、ってことになります。高齢の方であれば、入院期間は長くなることが多いです。逆に若くて合併症がなければ、入院期間はごく短期間で済むことが多い傾向にあります。ときどき「培養陰性」を退院基準に考える先生がいらっしゃいますが、そういう先生に当たると、入院期間が一気に数倍になってしまいますね。あーめん。一般的に、「塗抹陰性」が3回くらい続けば、退院してもいいんじゃないですかねぇ。

いや、でもこれ重要なんですよ。塗抹陰性3回が条件だと、「最初の投薬2週間+三回分の喀痰検査で一週間程度」と見て三週間です。培養陰性だと、「最初の投薬2週間+そこから培養結果が出るまで6週間から8週間」で、合計10週間程度です。シャレにならない。塗抹にいなければ自宅療養していたらいいわけですから、むやみやたらと入院させることはよろしくないと思います。いや、マジでしんどいし、入院生活。出来るだけ早くシャバに出たいというのは入院患者共通の心理なのでした。