日光東照宮に行ってきたよ1

というわけで、連休を利用して行ってきました東照宮

云わずと知れた観光名所、徳川家康公を祀った神社ですね。祭神は東照大権現、当然のことながら、これは徳川家康を神格化した神様になります。「権現」は仏が仮の姿をもって現れたもの、という意味で、「権」は権大納言などと同じ意味で、「仮の」という意味になります。本地垂迹説に基づいた考え方ですね。大権現はイザナギイザナミの神号であり、神道に従って祀られるのであれば大明神が適切であるところを、天海僧正がごり押しで大権現にしてしまったとも。つまるところ東照大権現とは、「東の方から日の本を照らす神(仏?)」ということになります。

家康公はもともと生母であるお代の方が薬師如来を祀る蓬萊堂に願掛けをして受胎した、という伝説があり、そのためか薬師如来をかなり意識していたようです(もっともこれは卵が先か鶏が先かという問題な気もしますが)。薬に関しては玄人はだしの知識を持ち、自分で漢方を調合して服薬していたと云われています。薬師如来と云えば、薬師瑠璃光如来ですね。万物生成の方角である東方、東方瑠璃光浄土におわす如来です。このあたりの伝説も、東照大権現というネーミングには絡んでいるのかもしれませんね。万物生成の方角である東方から日の本を照らす神です。日本の守り神ということでしょう。

とりあえず東照大権現について概略を書いてみただけでもこれだけの分量になりますが(笑)、つまるところ天海僧正は、家康公を「大権現」に仕立て上げてしまうことで、徳川幕府の始祖である家康を、天皇と同格か、それ以上の存在としてむりやり定義してしまった、ということになるかと思います。日本の守り神ですから、誰にも手は出せません。こうやって、家康は神としては最高位の位置づけで祀られることになったわけですね。家康の遺言は「小さいお堂を建てて祀れ」だったと思うのですが、見事に裏切られたわけです(苦笑)。

ちなみに、天満宮東照宮のふたつは「仲間はずれ」です。何がどう仲間はずれでしょう?天満宮は「天満大自在天神」菅原道真東照宮は「東照大権現徳川家康ですね。伊勢神宮天照大御神、明治神宮は明治天皇八幡神宮は応神天皇です。平安神宮桓武天皇でしたっけ。白峯神宮は崇徳天皇ですね。熱田神宮熱田大神ですが、これは天照大御神(そもそも熱田神宮の神体は三種の神器のひとつである草薙の剣ですが)ですね。いろいろ探せばそれなりに面白いのですが、基本的に皇祖神を祀る由緒ある神社が神宮です。天満宮東照宮が仲間はずれなわけです。

うーん、ロマンティックですねえ(苦笑)。