キノロンの怪

ワケあってキノロンのペーパーを書いているんですが、キノロンも難しい抗生剤ですね。よく効いて使いやすい抗生剤だからこそ、使いどころが難しいと思います。切り札って、簡単に切っちゃいけないんですよね。最後の手段を用意しておくことはとても重要なことだと思います。まあ、使わなかったらサビちゃうってのもありますけど。

LVFXの三回分割投与は薬理学的にかぎりなく間違いに近い投与方法ですが、比較的どこの病院でも行われています。添付文書にしっかり書いてありますからね。よく見るのは100mg×3回/dayですが、あまりよくないと考えられる投与方法です。困ったことに、一回でまとめて投与した方が薬効は高い。分割すると濃度が十分にならないため、耐性菌を作ります。LVFXよりも新しいキノロンは比較的耐性化しにくいと云われていますが、だからといって濫用していいということにはならないわけで、できれば古いニューキノロン(?)を使い分けて、長く使ってやれると云いなと思うわけです。そのあたりでペーパーを書いています。今年で3枚目。別件合わせたら、5枚目かな?

何にでも効くということは、しかも経口で何にでも効くなんていう反則的な特徴を持っているということは、それだけターゲット以外の菌を巻き込む可能性が高いということです。手榴弾みたいなものでしょうか?別に手榴弾を使わなくってもいい場合は、もっと静かに、ピンポイントに、スマートに使ってやりたいもんです。