空の軌跡3rd 終了

いろいろ賛否両論だったらしい本作。たしかに安定して面白い分、何か物足りない感じ……

うーん、ファンディスクって云われても仕方がない作り方をしているので、これで「外伝です!」と云い張るんだったら、手を抜きました?って云われてもある程度は仕方がない感じ。次回作への伏線を張りつつ外伝的な話しを作るんだったら、ケビンを主人公に据えたことだし、アルテリア法国の話が絡んできて、それでエレボニアとリベール、アルテリアの三国志的展開あたりを期待していたんですが……物語の基本は三国志でしょ、やっぱり。

この手の国が大きく関わってくる話しの場合、やっぱり政治背景なんかを適度に書いてやらないと、物語に幅が出てこない。オズボーンなんていうおいしそうなオッサンが出てきたわけだし、そのあたりでもうちょっと大きなイベントがあったらよかったなと思う次第です。まあそのテの展開が大好きなせいもあるわけですが……

いやまあ、しかし、面白いんですけどねぇ……

(ここからは激しくネタばれるぜ。)

いや、ほら、扉のエピソードとかムシしたら、むちゃくちゃシナリオ薄っぺらいですよ、コレ。なんせ、影の国に取り込まれてからほとんどダンジョンをクリアするしかすることがなく、しかも星層をどんどんクリアしていくという目的がかなり初期にはっきりしてしまっている。シナリオだけで云えば、もっとも手のかからない作り方をしているといってもいいかもしれない。うーん、もったいないよね。

ケビンとリースを主人公にするならアネラスやリシャールはプレイヤキャラである必要性はまったくないし、16人てさすがにちと多すぎる気がします。ケビン、リース、エステル、ヨシュア、オリビエ、ミュラー、レン、クローゼあたりで十分この長さの話しは出来そうです。なんせFC、SCで土台は十分に固まっていますから、いくらでも出来るはず。レクルスの方石はカンパネルラの回収していった輝く環と関係があるわけですから、そのあたりで身喰らう蛇との接点も作れそうです。前作最後でケビンが守護騎士だというネタばらしがあったわけですから、アルテリアでの社会的な基礎はあるわけですし、オリビエがエレボニアで土台を固めるときの話とか、政治色バリバリの国同士の話が読みたかったですね……

まあアレだ、ティータとかアガットとかシェラザードとか、このあたりをプレイヤキャラから外すと怒り狂うユーザがいるんだろうなということは容易に想像ができるし、場合によっちゃアネラスを外しても怒り狂うユーザがいるんでしょうけど、ストーリィにほとんど関係のないアネラスとかが入っている時点でファンディスクの指摘を受ける覚悟はあったんだろうなと想像しています。リシャールがプレイヤキャラになっていたのにも驚きましたが、ここらへんもファンディスクっぽいです。キャラクタへの愛のようなもので支えられたゲームだと思います。まあ、平均点的な面白さはあるんですが……FCやSCのような、神がかったところは、ない、なあ……

というわけで、ひとことで云ってしまえば、「残念なゲーム」です。もしくは、「残念になってしまったゲーム」でしょうか。シナリオの薄さがいちばん残念。扉のエピソードの半分くらいが、「キャラクタへの愛」で支えられていますので、私はスキップ機能が欲しいと切実に思いました。

音楽はすごくいいのにね……