梅毒スクリーニング

以前にも書きましたが、手術前の梅毒スクリーニング検査は不要なのではないか、という話しです。

どうやら無症候性の梅毒患者は、とても感染性が低いらしい、というのは確実なようなので、ますますスクリーニング検査としては不要ではないかと思います。逆に云えば、アクティブな梅毒患者は手術なんかしないだろうし……だったら、梅毒検査を実施することの意味がどこにあるのかなあ、という気がします。万が一感染したとしても治療法は確立されていますし、その点でも不要だと考えます。その分のコストを他にまわした方が、利点は大きいでしょう。

血液を介して感染する感染症なんて、他にもいくらでもあります。梅毒にこだわる理由もないのでは?

ところで、HIVを術前にスクリーニングするかどうかの方が、現時点では悩ましい問題なのではないかと思います。絶対に必要なほどの患者数があるわけではないと思うのですが、決してマレであるとも云えないわけで……手術前スクリーニングでがんがんひっかかるほどの数はいないけど、マレにはひっかかるかもね……くらいのレベルでしょうか。うちでも少し議論になりましたが、スクリーニングで陽性に出たらどうするんだろう。具体的には、追加の確認試験の費用は誰が出すんだろう……まあ手術前のスクリーニングとか関係なしに、現代では、臨床的にHIVをいつ検査するのかが重要な命題として挙げられると思います。これは感染症医の領域でしょうか。