点滴作り置き2

菌の正体は、どうやらセラチアのようですね。>谷本整形外科

典型的と云いますか、何と云いますか……院内感染対策勉強会のケースレポートにでも出てきそうな、すごくわかりやすい事例です。あとはもうちょっとデータの追加があれば、そのまんまばっちり使えますね。これをちゃんと現場にいて、リアルタイムで見抜けるかどうかが感染管理担当者の力量ということになるのでしょうか。感染管理専任の看護師さんがいる施設はたぶん、すぐにICNの方が気がつかれると思います。でも、そういう方がいらっしゃらない施設だと……しばらくは気がつかないかもしれませんね。細菌検査室は見逃さないとは思いますが、外注施設も増えてますし。

でもしかし、だから教育って難しいんでしょうね。失敗しないとわからない、という方が、世の中にはじつに大勢いらっしゃいます。どこの業界も似たようなものかもしれませんが、過去の経験に基づいて失敗される方が異常に多い世界です。いままでこうやってきたから、これからも大丈夫だろうと思っているひとの、何と多いことか。こういう事件があったときは、どこの病院でも勉強会などを実施するいい機会だと思います。でも、勉強会をしても、なかなか我が身のこととして実感できないんですよね、これが……

点滴の作り置き問題は、どちらかというと「無知」から起きる問題のような気がします。忙しいから、というのはもちろんあると思うのですが、忙しいからといって明らかなデメリット、リスクを見過ごす理由にはなりません。正確な知識とリスク把握が出来ていれば、作り置きの危険性とメリットの比較は出来るはず。そのうえで作り置きを選択するのは職業倫理の問題かもしれませんが、たいていの場合は、しかも看護師さんの場合は、あまりそのあたりがよくわかっていない方が非常に多いので、やっぱり地道に勉強会、というの必要だと思います。

でも全体の勉強会をしても、誰も来ないんですよね、これが。昼休みとか看護師さんの詰め所とかに乗り込んでいかないと、ほんとに勉強会をする意味がない……気がします。