第13回IDATEN米国式ケースカンファ

IDATENケースカンファに参加してきました。これで二回め。

二回目ながら、すごく刺激的なカンファですね。特に、二例目の症例に震えました。たぶん、あそこにいたひと全員が感じた震えなんじゃないでしょうか。会場からの鑑別診断にまったく上がらなかったのは、そしてCT画像が出た瞬間に起きたあのどよめき。たぶんそういうことなんだと思います。一例目にも出てきたのに……あまりにもびっくりしすぎて、興奮しっぱなしでした(笑)。あとから考えてみても、直接最終診断名を想起させる所見が見当たりません。まさしく地雷といってもいい症例だったんじゃないでしょうか。

こんかいのケースカンファは、診断をつけるということがいかに重要なことなのか、すごくよくわかる教育的な実例がそろっていたと思います。熱+CRP=抗生剤!というロジックで診療をされる先生がうちにもごろごろいていますが、ほんとにダメなパターンだなあと実感。とくに理屈に合わないことをそのまま放置しておくのは最悪だと感じました。理屈に合わないことには何か理由があるということです。救急の本を読むと、楽観的なゴミ箱診断はダメだと口うるさく書かれていますが、その通りだと思います。

ここさいきん、抗生剤の効かない血流感染症に二例ほど出くわしました。どちらもまだ決着がついていないんですが、どちらも電話で血管内感染症を考慮してね、と伝えてあります。抗生剤に不応の感染症に出くわしたとき、何を考えるのか。ここで抗生剤をころころ変える先生もいますが、ぐっとこらえて指差し点検が必要だなあと思います。

高倉先生のカンジダの話しも刺激的でした。これはいつか院内版に書こうと思っていたので、すごく参考になりました。必死になってメモりましたが、すべてをメモしきれていません。C.parapsilosisのMCFG耐性傾向(?)は私もデータをまとめたときに気がつきました。みなさんもデータをまとめてみると面白いと思います。C.paraだけ、他のnon-albicans Candidaと比べてMCFGのMICが高いんです。臨床的に影響が出るほどではないようですが、面白いですね。