プロカルシトニンについて

ログを眺めていると、閲覧者が何を調べたくて当ブログに飛んで来ているのかがわかります。検索ワードの設定の仕方で、医療従事者か一般の方か、だいたい検討がつきます。さいきんのヒットはプロカルシトニン。一日に何人も、このワードで飛んでくるようです。

プロカルシトニンについては以前にもう書いてあり、追記するほどの情報はもう持ち合わせていません。ウチではあまり導入は進んでおらず、知名度もまだまだです。検査部から臨床側に提示出来たら、なかなかいい点数稼ぎになると思うんですけどねえ。この有用性は検討するに値すると思います。また世の中に認知されつつある状況だからこそ、これだけプロカルシトニンというワードで飛んでくる人がいる。検査部のみなさーん、まず血液内科かICUの主治医をひとり、抱き込みましょー。血液内科であれば、好中球減少があるときなんかに使えますし、ICUなら術後感染症の早期診断にも使えますよー。

とくにいま私は好中球減少患者にプロカルシトニンを効率よく使えないかと考えています。いいと思うんですよね。好中球減少が長い患者だと、感染症の際に起きる免疫反応が非定型的なものになります。発熱がない、発赤しない、膿が出ない。好中球の浸潤がないからレントゲンは肺炎像を取らないし、全身管理のために突っ込んであるカテーテルには感染があっても発赤も膿も出ません。当たり前ですよね、物理的に好中球がないんですから。CBCを測定してもわからない。CRPもあがりにくい。局所に感染症があっても膿を作らない。どないせーっちゅうねん、という状況のときに、プロカルシトニンが使えないかなー、と思うわけです。好中球減少時にエンピリックに適切な治療を施すことは、予後を改善する効果があるようです。血液培養を採って起炎菌を同定することは重要ですが、感染症の存在をいち早く察知することも大切。その第一歩に、プロカルシトニンを使いましょう、というワケですね。

検討出来るなら、検討してみたいですね。理論上は使えると踏んでいますが……やってみたくてウズウズしますね。