あだ名が吸血鬼

医局会用のスライドをいくつか手直し。あと、医局会に出席しているメンバのリストチェック。どのくらいのポジションのひとが、どれだけ出席しているか、比較的検体をよく出す主治医はいるかどうか、その辺りを重点的に。研修会で使ったスライドは看護師も意識して派手めに作っていましたが、こんどは情報量を増やしてもっと実際的なものに作り替えようと思います。血液培養って重要なんだ、と理解してもらえると幸いです。

どーにも不思議なのが、いまの医師って、学校で感染症を学んでこないようですね。それは検査技師も同じですが(技法だけ学んで実地を学ぶことは少ない)、どこの科に行っても遭遇するのが感染症です。精神科の患者にさえ肺炎は起きますし、性感染症だって起き得ます。ところが、外来で軽度の肺炎患者を見たら即キノロン!のひとがとても多いんですね。入院患者で下痢しているのを見たら、とりあえず便培養だしてから考えよう、と考える主治医の何と多いことか。熱発したらまず抗生剤という脊椎反射で生きているひとが多いこと多いこと。培養をちゃんと採ることは、抗生剤の適正使用の第一歩だと考えます。使うなというわけじゃない。もちろん使わないにこしたことはないんですが、いいかげん抗生剤のショットガンアプローチはまずいだろうと思うわけです。

きょうは超危機的状況の患者さんの検体を扱いましたが、それでも血液培養は1セットだけでした。感染症的な末期状態で、そういう患者さんの血中には菌がうようよ回遊しています。こういう検体であれば1セットでも問題なく検出出来るのですが、多くの場合は1セット採取は不適切なオーダーです。ぜひ(少なくとも)2セットの採取を。

まあ取れない患者さんからちゅーちゅー吸血鬼のごとく採血するのもどうかとは思いますので、ケースバイケースだとは思いますが……