公務員と民間企業

元ネタはここ

いつも思うのですが、公務員に対する風当たりはいまもなお強いですね。大阪府のワケの分からない公務員実態が大きく報道されたせいもあると思いますし、いまだに不正がよく発覚して大々的に報道されるせいもあると思いますが、「給料は国民の税金だ」「公務員は公の奉仕者だ」という主張はいまいちピンとこないところがあります。まあその主張自体は事実だし、あんな不正が(不正というのもバカらしい無駄遣いも含めて)じゃんじゃん出てきたらそう云いたくなる気持ちもわからないでもないんですが、公務員だって労働者だし、だったら労働者としての権利や主張があってもいいんじゃないかとは思いますね。

朝礼は始業時刻の9時15分に開始。橋下知事は「9時にやりたいと言ったら『超過勤務になる』と言われた。民間なら始業前にやるのが普通」と主張。「たかだか15分、始業前の朝礼で超過勤務手当だと言うなら、税金で給料が賄われている皆さんの執務時間、私語やたばこ休憩は全部(給与を)減額させてもらう」とまくし立てた。

 これに対し、女性職員(30)が「ちょっと待ってください」と立ち上がり、「今どれだけサービス残業をやっていると思っているんですか。きれいなことを言っているが、あなたは労働者をバラバラにするようなことばっかり言っている」と反論した。橋下知事は「そういう議論をぜひ起こしてください。ありがたい意見だ」と答え、朝礼後も記者団に「彼女は立派だと思う」と話した。

(毎日新聞電子版から引用)

これはしごくもっともな発言だと思うのですが、ここでPJの了さんですか、このひとが発言しておられるような感覚は、いまいちピンときません。

 この朝礼で発言した女性職員は「どれだけサービス残業をやっていると思ってるんですか」と言うが、そもそもサービス残業は法令違反である。民間企業ではサービス残業の実態が発覚して、労基署の指導で残業代を払わされるケースが増えている。府職員のサービス残業分を清算して残業代を払うことになれば、その原資は府民の税金なのだ。サービス残業を声高らかに自慢しないでもらいたい。

 またこの女性職員は、自らを労働者だと言っている。これはあくまで私見だが、公に奉仕する立場にある公務員が労働者であってはならないと考える。もちろん己を捨てて滅私奉公せよというつもりはない。だが、労働者としての立場を主張するべき立場ではないだろう。

Livedoor news:PJ 了さんの記事から引用)

公務員が労働者でなければ、いったい何だと云うのでしょう。労働者であってはならない公務員は、ではいったい何ですか?奉公人?労働者としての立場を主張してはいけないのであれば、公務員の給料は下がりっぱなしです。財政難に陥った自治体がまずやるのは、職員の給料の切り下げなのでは?これはアホでも出来る節約策ですからね。一方、事業の切り崩しや方向転換はなかなか出来ない。上層部の思惑やつながりもあるでしょう。それに加えて、サービス残業が当たり前になっているなら、「(残業代も払わないくせに)さらに公然と15分の超勤を要求するのか」と主張したくなる気持ちは解ります。労働者なら、当然のことでは?公務員だからといってこういった主張が圧殺されるのは当然とされるのは、いまいち納得できないですね。

なんとなく「おまえらの給料は税金から出ているんだ」という主張をへーぜんとふりかざすのは、「雇ってやっている」という傲慢さに見えてしまい、落ち着きません。とくに、

 この朝礼で発言した女性職員は「どれだけサービス残業をやっていると思ってるんですか」と言うが、そもそもサービス残業は法令違反である。民間企業ではサービス残業の実態が発覚して、労基署の指導で残業代を払わされるケースが増えている。府職員のサービス残業分を清算して残業代を払うことになれば、その原資は府民の税金なのだ。サービス残業を声高らかに自慢しないでもらいたい。

の部分は、書いた人の考え方がもろに出ている部分ではないかと思います。サービス残業、立派に法令違反ですね。払うのが当たり前ですね。払っていないのは誰ですか?払ってもらわないと法令違反なのに、労働者なら支払われて当然の権利が圧殺されているのはなぜですか?一般論として公務員は労働者であってはならないというのであれば、サービス残業の時間は滅私奉公なのでは?この主張を「サービス残業自慢」と切り捨てるのはちょっと酷なのではないでしょうか。

まあだからといって、女性職員の主張が100%正しいなんていうつもりはさらっさらないですけどね。何と云っても、天下の大阪府ですし。どんだけ公務員優遇されてんだよ、みたいな代表格ですし。ただ、世間サマの目がずいぶん偏っているなあと思うだけです。(ジャーナリストとしても偏った目だとは思いますが)