検査技師の付加価値

笠原先生のことばにちょっと感動。

いまでも十分検査技師の就職先は少ないのですが、ブランチラボや検査の外注化などによって、検査技師にとってはまだまだ苦しい状況が続いています。いまから一年くらい前でしょうか、私のまわりでブランチラボが「検査室の新しい形態」として導入されはじめました。もちろん弊害もいくらかあったりして順風満帆に進んでいたわけではないのですが、それでも、このままだと生理検査以外は生き残れんかもしれんねえ、などと思ったりしたものです。悲しいことに、細菌検査を外注している施設もあるそうです。

細菌検査にも付加価値が必要です。臨床に言及するのは職分を超えている、という意見があることは承知ですが、私は検査技師も臨床に踏み込んでいかなければ生き残る道はないと考えています(これは以前ブログで書きました)。グラム染色で起炎菌を推測し、患者さんの情報を加味して判断する。私はちょこちょこ主治医に患者さんの状態を聞くのですが、意外にうっとおしがられることはありません。いやいや、まあ陰でうっとおしがられているのかもしれませんが(汗)、それでも結果的に感染症が改善することもあり、いちおう主治医は協力してくれているみたいです。こっちは勉強になりますので、たいへんありがたいですね。

相談されるたびに外していたり、わかりませんとか云っていたりするとすぐに信用をなくすので、けっこう綱渡りな面はあります。でも、私は検査技師が検査だけしていればそれでいいという時代はもう終わったんだと思っていますので、自分の考える方向が、すくなくともまったくの的外れではないらしいという思えたのはうれしいことです。これからもちょこちょこがんばっていくかな……