咽頭のような便

検体は便なのですが、培養結果は咽頭みたいでした。

水様下痢の2歳の子供なのですが、水様下痢で直腸スワブを使って検体を採取したとのこと。翌日培養結果を見てみるとまるで咽頭粘液の培養みたいで、えらく面食らいました。ほとんど全面にviridans streptococciが発育していて、ところどころにNeisseriaを疑わせるコロニーが。さらにStaphylococcusも生えてきて、ちょっと不健康な咽頭粘液のような培養結果でした。こんなこともあるのかな……?

念のためにちゃんと便を採ったかどうかを確認しましたが、塗抹を見ても培地を見ても、咽頭粘液としか思えない結果でした。いかにひどい下痢をしているとはいえ、胃酸がしっかりしている人間の口腔内常在菌がそのまま便に出てくることがあるのかどうか、ちょっと興味があります。よく病棟の患者さんで、喀痰からMRSAが出ている場合、そのまま便にMRSAが出てくることがありますよね。あれはほとんどの場合、胃酸を押さえるような薬が処方されているので納得出来るのですが(さらに抗生剤が入っていることも多い)、小児の場合、こんなことはよくあることなのかどうか、後学のためにはっきりしておきたいです。

ちなみに、わざわざ小児科に確認を取ったと云ったら上のひとに鼻で笑われたんですが、そんなにおかしなことをしたのかなと疑問に思っています。少なくとも、私は確認も取らずにあの結果を「便培養の結果です」と返す気にはなれないです。