IDATENケースカンファ

IDATENのケースカンファレンスに参加してきました。

これが予想以上に面白く、得られるものも大きかったと思います。あー、なるほどね、という感じで。こういう考え方をするのか、という点で、ものすごく参考になりました。うん、思い切って参加してみてよかった。

最初の症例のHistoplasmaはさすがにわかりませんでした。っていうか、日本であれをちゃんと診断出来る施設があるのか、って感じ。日本じゃまずお目にかかれない感染症ですよ、Histoplasmaって。たぶん、ウチに同様の患者さんが来たら、抗生剤に反応しない感染症→β-Dグルカンを測定→陽性だったからとりあえずFLCZで叩く、という流れになるでしょう。で、FLCZが効かなかったら、たぶんそのままVRCZまで使ってみて、それでも効きが悪かったらAMPH-Bでしょうね。HistoplasmaにVRCZが効くかどうかは知らないので、最終的にどうなるかまではわかりませんけど……たぶん、よくわからないけど真菌感染症?みたいな感じで流されてしまったのではないでしょうか。

その場合、たぶんメンテナンスにITCZを長期投与、というフォローがないと思うので、いったんよくなってもどこかで再発する可能性があり、最終的には患者の命を奪いかねないなと思いました。怖いですね。診断をつけるというのがいかに大事かということをすごく感じます。

ところで、このケースカンファレンス、感染症の話しをしているのに、CRPのCの字も出てきませんでした(笑)。はっはっは。β-Dグルカンも測定していないと云っていたので、そこらへんがすごいと思います。*1CRPは常々役に立たないだろうと思っていましたし、そう書かれている本もいくつか読んでいたので、「やっぱりそうなんだ」と思いましたが、内容がきわめてロジカルで、とても面白かったです。

会場からの発言も多く、有意義な会だと思いました。また参加したいですね。

*1:真菌感染症を疑わせるリスクファクタがないので、グルカンは測っていないわけですね