検体検査料、引き上げが当確?

元ネタは日経メディカルオンラインから。

保健医療協議会の診療報酬基本問題小委員会で、検体検査の評価について議論が行われたようです。正直ようやくか、といった感じで、いい方向に流れていくことを祈っています。

近年の傾向として、検査実施料は引き下げ、判断料は引き上げ、という流れでしたが、それを見直すようです。この流れの結果、検査の単価が実施料を上回る、というシャレにならない減少が発生し、おもに病院の検査室が悲鳴を上げました。悲鳴を上げた検査室は、試薬を入れている卸さんに「試薬を値下げしろ」と迫りました。卸さんは仕方なく値下げします。中には、「ウチはもうこれ以上下げられまへんねん」といって辞退するところもちらほら。この実施料の設定基準は試薬などの実売価格などを総合的に勘案して*1定められていますが、何を考えたのか役所のデスクワーカたちは、”検査センタの試薬の仕入れ値”を参考に設定してくれやがったりしちゃってるわけです。大量に仕入れる検査センタの試薬が安いのは当たり前で、それで病院は軒並み悲鳴を上げたわけです。原価割れしちゃうんですよね。だから、検査すればするほど赤字になる。明らかに不採算部門ですから、病院は検査を検査センタに委託する。検査室の外注化現象です。

いい加減、役所のデスクワーカと委員会の偉い人たちは、保険点数で医療情勢を自由に操れると思うのをやめた方がいいと思う。誰が何と云おうと、いまの検査室と病院の現状は不適切に設定された保険点数の結果であり、まさに必然だったと云えるものです。必要な検査がすぐに実施されず、適切に患者を診察出来ない病院が増えてしまっています。

ところで、細菌検査を外注化すると、血液培養の陽性率が下がるそうです。どこで読んだか忘れてしまいましたが、ただでさえ低い陽性率がさらに下がるわけですね。これで適切な診療が出来るでしょうか?起炎菌の拾えない感染性心内膜炎なんて、ぞっとしませんか?

*1:役所が好きなフレーズですね