Haemophilusによる上気道炎?

これは実在した症例ですが、その記述については正確性を保証するものではありません。っていうか、ぶっちゃけもうここに書いてあることは信用しないことです。

主訴は急性の咳、発熱。数日前から熱感があり、熱によるものなのか、軽度のめまいを感じていた。喉が痛いのでクーラーで喉を痛めたのだと思っていたという(クーラーをつけて寝るなどの習慣はない)。咳は以前からあり、痰が絡むようになる以前から空咳はあった。呼吸困難はなく、もっとも咳の強かったという朝にわずかに呼吸に難を感じたのみで、呼吸は平静である。鼻水は出ない。以前、別疾患で病院を受診し、補中益気湯シナールメチコバールを処方されて服用していた。他に特記すべき基礎疾患などはない。

熱は38℃程度。全身状態は良好で、比較的元気。WBC 10000程度、CRP 1.7。喀痰の性状は、Miller&Jones分類でP3。

というわけで、こんかいのケース患者はなのでした。・゚・(ノД`)・゚・。

以下がグラム染色像です。

かなりわかりにくいですが、視野中にグラム陰性の短桿菌が確認出来ます。新鮮な好中球が多数見られ、ここでははっきりと確認出来ませんが、フィブリン糸もあることから、この像は急性の感染症であることを示唆します。Activeな感染であるといってもいいのではないかと思います。

呼吸困難はなく、呼吸数も安定していますので、炎症は上気道に留まっていると考えます。レントゲンを撮ったのですが、気管支の形に沿って白いもやもやが分布していたのが面白かったですねえ。まあレントゲンはよくわからないんで、何とも云えませんけど。(気管支炎ってやつ?上気道炎だと気管支まではいかんか……)

というわけで、私はこれをHaemophilusによる上気道炎だと判断しました。私みたいにタバコを吸わない、基礎疾患も持たない人の上気道炎に細菌が絡むのは珍しいような気もしますが……まあ出ているのは出ていますし。

しかし、咳がひどくって……そろそろ治らないかなあ……

追記 9月27日

追記した時点でほぼ一ヶ月が経過しましたが、まだ咳は取れません。短い連続した咳が連続して出ます。そのあとに呼吸困難から、まるで喘息患者のようなひゅーっという吸気音とともに、なんとか息を吸い込むといった感じです。咳の回数自体は減りましたが、発作的に起きる咳が深いので、咳発作が出ているときは吐き気すらします。とくに夜間にひどく、朝方はこれで叩き起こされます。さあ、これはいったいなーんだ?

私はこれは百日咳の典型症状だと記憶しているのですが、どーなんですかね?これが一番臨床的にスジの通る仮説で、問題点はいったいどこでもらってきたのか、という一点だけになります。自分がHaemophilusの気管支炎を起こしたと考えるよりも、よっぽどすっきりします。うーん、ちょっと作り話して、主治医に抗体価でも測ってもらうかな……