在郷軍人病

なぜ、冷却塔の冷却水の中にいるレジオネラが問題になるのか?これにずいぶんと悩みました。すでに書いた通り、私はエアコンには外気を積極的に取り入れる機能はないと考えていました。じっさいにはまったくないということはないようなのですが、別に冷却水が直接エアコンの吹き出し口から散布されるわけではないので、なぜ冷却塔の冷却水が問題になるのか、いまいち理解出来なかったわけです。

いまでは日本でもレジオネラ症と呼称されていますが、このレジオネラ症、かつては在郷軍人病として日本に紹介されました。1976年7月、フィラデルフィアで在郷軍人会が開かれた際、参加者とその周辺住民、合計221人が原因不明の肺炎にかかりました。これが「在郷軍人病」の由来ですね。まるで戦争の後遺症みたいな名前です。Googleで検索したらけっこうひっかかるのですが、中には「エアコンからレジオネラ菌が散布された結果、参加者が原因不明の肺炎に罹患した」と書かれているものがちょこちょこありまして、冷却水が原因なのに、なぜ室内のひとだけ罹患したの?というのが疑問でした。正確には、「参加者と周辺住民221人」が罹患したわけですね。参加者の患者数の方が多かったのは事実みたいですが、べつに参加者だけではなかったわけです。

で、ここでまた別の疑問がわいてくるんですが、じゃあ何で室内と交流がまったくないはずの冷却水のレジオネラが問題になるのでしょうか?在郷軍人会でレジオネラ菌がエアコンから散布されたのは事実のようです。これには冷却塔の構造というか原理が密接に関わっている話なんですが、続きはまたこんどに。冷却塔って、けっこう恐ろしいんですねえ。