マイクロソフトが医療情報を標準化

いちおう私も医療情報技師だし、このことには触れておかないといけない。

マイクロソフト(MS)は7月11日、医療現場におけるIT(情報技術)化の推進を目指す「Connected Health Platform構想」(以下、CHP構想)を発表した。

 同社が英国などで既に展開しているこの構想は、具体的には、(1)院内の業務アプリケーション(電子カルテ、オーダリング、レセプトシステムなど)の連携を実現する、(2)個人認証システムなどのセキュリティーシステムを構築する、(3)システム利用者に、WordやExcelなどの使い慣れたユーザーインターフェースを提供する――という3本柱からなっている。

(Medical online中の記事から引用)

このことは、業界にかなり深刻な影響を与えました。いちおうこの世界には歴史的にも先行している「HL7」という標準規格があり、これを支持している医療情報学会やその関連団体である日本HL7協会があるわけですね。で、これらの団体に、「マイクロソフトがHL7を無視して安価なシステム提供するために標準規格を策定しようとしている」という、まあマイクロソフトいわく、「誤解」を与えてしまった、というわけですね。

まあマイクロソフトとしては、医療業界のまわりに自社製品を配置したい考えだったのでしょうが、説明が足りなくて誤解を招いた、というところでしょうか。事実、マイクロソフトは昔からWordやExcelをそうやって連携させて小規模版電子カルテみたいな動作をさせるソリューションを提案していたと思いますし、昨年北海道でやった学会でも、そういったプレゼンテーションをされていましたね。マイクロソフトの意図するところは、「あくまでシステムのプラットフォームを提供するメーカーとして、既存の規格に準拠できる形で、各ベンダーに貢献するのが目的だ」とのことです。

でもまあ、HL7関係の団体さんは心中穏やかではないようで、それ関係のいろんなホームページに情報が載せられています。興味のあるヒトは、ご覧アレ。

(っていうか、興味のあるひとがいるのか、このネタ)