プロカルシトニンについて

メーカさんが売り込みにきていましたので、いい機会とばかりに容赦なく質問しました(いじめました)。

まず保険点数ですね。DPC導入されていない施設はまだ出来高払いな訳で、これは詳しく押さえておきたいところです。導入してみたところとんでもないお荷物検査だった、なんてことになると、別のところで問題になりかねません。聞いてみたところ、どうやら血液培養とは併算できないだろう(併算出来るようです)、ということです。エンドトキシンと併算できないのはほぼ確定のようですね。私はこれを聞いた時点でダメだと思いました。理由は明らかで、血液培養は重症感染症を治療する上で絶対削ることの出来ない検査であり、プロカルシトニンとどちらを取るかと聞かれれば、まよわず血液培養に決まっているからです。

重症度の把握に使える、という話しだったので、その重症度はいったい何を基準にsevereなのかを聞きました。APACHEスコアとかだろうな、と思ったのですが、まさかCRPとかだったりしないだろうなー、とも思ったので、確認です。あと肺炎などの感染症でどの程度鋭敏に上昇するのか、どの程度臨床症状と相関するのか、肺炎の治療効果判定に使えるのかどうかを尋ねました。CRPが肺炎の治療効果判定に使いにくいというのはもはや周知の事実だと思うのですが、もし効果判定に使えるのであれば、不要な抗菌薬投与を避けることが出来るのではないかと思います。drug feverにも騙されにくいでしょう。ウィルス感染症の場合とどの程度の差があるのかも知りたいですね。あと局所の感染、たとえば蜂窩織炎の場合はどうでしょうか。真菌感染による上昇は?マイコプラズマの異型肺炎とかの場合は?聞くことはいくらでもあります。

資料もいくつかいただきましたので、夜勤のときにでも読みたいと思います。血液培養を採るかわりにプロカルシトニンを出されると感染症治療としてはよりいっそうマズい状況を招きかねないのでその点ではどうかなあと思うのですが、使うところを押さえていれば、有用な検査だとは思います。まあ、どんな検査でもそれは同じか……

追記

プロカルシトニンは血液培養と併算できるのではないか、という話しも聞きました。これに関する記述はたぶん二転三転すると思いますので、さらっとスルーしてください。というか、すべての話しについてスルーしてください、マジで。