ジェネリック医薬品の是非

http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20070422i101.htm?from=main1

コレに対しても、私はとくに意見を持たない。いいとも悪いとも、どちらとも云えない。

それよりも再三書いている通り、厚生労働省はさっさと日本の感染症治療の抱えているさまざまな問題を解決するよう、徹底的に議論し直すべきだ。ジェネリック医薬品の採用なんかよりも、こちらの方が百万倍も重要である。患者の命がかかっているし、抗菌薬の適正使用にも絡んでくる。抗菌薬の適正使用を促すことは、ひいては医療費の抑制にもかかわる重要なことだ。ジェネリックの是非を議論する前に、日本のおかしいところを徹底的に議論すべきなのだ。必ず改正しろと云っているわけではない。せめて議論はないのかと思う。

CDADにフラジールの使用が認められれば、CDADに関する医療費は100分の1になる。これはもちろん医師がフラジールを使えばの話しなのだが、もっとも単純な状況として、腎盂腎炎の治療で入院して、シプロキサンの投与を一週間受けたとしよう。一週間後からひどい下痢が出た。CD toxin Aが陽性だった。状況から判断して、おそらくCDADだと判断出来る。これに対して、抗菌薬が切れる状況なら切って様子を見るのがいちばんなのだが、もし抗菌薬を切ることが出来ないまま治療しなければならないのであれば、いまなら保険診療の絡みでVCMを投与せざるを得ない。そうすれば125mg×4/日を10日間、VCM散を使って、40000円近い費用が新たに発生する。フラジールを使えば、400円だ。VCM一回量にも満たない。フラジールを使うことで治療に失敗するかと云えば、再発例ももちろん報告されるが、大半の症例は治療可能であるとされている。ルーチンに問題はないと思われる。

フルオロキノロンの投与方法に関する問題、アミノグリコシドに関する投与方法・投与量の問題に関しても、同様の議論が必要で、このふたつに関しても適正に使用するためには問題があると思われる。ジェネリック医薬品の是非なんか、あえて云うならどうでもいい。もっとやるべきことがあるように思う。