人材の育成について

私は別に人材育成を語るべき立場の人ではないが、思いついたことがあるので少しだけ。

組織の中で人材育成が語られる時、その方向性は「人材を育成したいと思っているひと」、つまりマネージャが語るべきである。検査技師であれば、スペシャリストを作りたいのか、ジェネラリストを作りたいのか、経営感覚の優れた人を作りたいのか、システムに強い人を作りたいのか、いろいろなパターンがあるだろう。組織として、たとえばジェネラリストを作りたいのに、現場はスペシャリスト指向であれば、それは組織の方針と反しているので、「矯正されなければならない」。これは絶対に、「そう」でなければならない。それは無駄なので、まず最初に方向性の提示はなされるべきである。

組織は組織として、達成すべき目標がなければならない。その目標のために、人材育成がなければならない。つまり、目的のある人材育成でなければならない。従って、人材育成を掲げるのであれば、掲げた人が組織の目標を提示し、その目的達成のための戦略のひとつとして、人材育成がなければならない。しつこくフォローアップし、育成が進んでいるのかを確認すべきである。それは目的を達成するための手段なのだから、マネージャの責任である。従って、人材育成を掲げるのであれば、まず達成すべき目標を提示し、そのために必要な条件を提示し、そのために必要な人材の方向性を示し、フォローアップをしつこいぐらいに行わなければ「ならない」。マネージャがそれを出来ないのであれば、そもそも人材育成などと口にすべきではない。

もし目標を提示せずに、意図しない人材が出来上がってしまったら?ある人は、切り捨てて次に期待すればよい、というかもしれない。偶然思っていた通りの人材が出てきたとしても、しかしそれはギャンブルといっしょであり、まず「育成」していないので、人材育成としては、やはり失敗であろう。

椅子の足を作る職人

別に「椅子の足ばかりを作る職人」がいたって、それは悪いことではないはずだ。だが、全体としてみると、必ずしもよいことばかりではない。

ちょうどお役所がその状態で、ある担当者は、自分の担当ばかりを頑張ってこなしている。だが、自分の仕事が全体の中でどのようになっているのか、それは理解していない、そんな感じだ。椅子の足の精度がやたら高くても仕方がない。足がきわめて美しい椅子だ、という評価もあるだろうが、多くの場合、全体の品質を決めているのは、椅子の足だけではない(椅子の足フェチは除く)。

さいきん、微生物そのものに興味が持てなくなってきて困っている。もちろん、極めたわけではないし、「まったく」なくなってしまったわけではない。本も読むし、勉強もする。。。疲れてるのかなあ。

横並び思考

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日本企業がヒット商品を作れないかどうかはよくわからない。ソニーだってかつてはウォークマンを作ったわけだし、できないわけではないだろう。

ただし、「病的なまでに徹底された横並び思考」をどうにかせんことにゃ、どーにもならんだろ、とは思うけれども。

Appleが市場調査を徹底的にやってiPhoneを作っていたら、たぶんぜんぜんまったく、これっぽっちも売れなかったんじゃないかなあ。

トランプ大統領は、大統領として成功するのだろうか

トランプ大統領は、大統領として成功するのだろうか。

成功の定義にもよるだろうが、いまいち何か成果を出しているところを想像できない。イケイケで押せ押せが通用する世界でないのは当たり前のことだとして、では戦略的に動くひとなのかと云えば、どうしてもそのように見えない。問題に場当たり的に対処しているだけで、誰にでも思いつくことを強引に実行しているだけのように見える。なにか分析があったり、根拠があったりするわけではない。ずいぶんと安っぽい大統領だな、とは思うが、停滞した社会の救世主になれるとはどうしても思えないのだ。仮にメキシコに壁を作ることや日本との貿易で米国に有益な成果が出たとしても、短期的な戦略の結果と長期的な発展がかみ合っているようには思えない。年単位で見れば、おそらく破綻する。

みんな、こんな大統領を熱望していたのだろうか。すごく不思議だ。この政策の果てに、よりよい社会が、恒久的に発展を続ける力強い社会があるとは思えない。アメリカのよいところをスポイルし、より停滞を深めるだけなのではないか。

怒鳴れば声が届くような小さな企業を経営するのとは訳が違う。多様化し、合意を得るのが難しい多民族国家のトップだ。だからこそワンマンが有効なのかもしれないし、破綻を早めるだけに終わるかもしれない。でも、やっぱりトランプ大統領が力強い米国を再建しているところなど、微塵も想像できないのである。

すごいか、これ

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まあ、自分の墓穴を9時間も掘り続けたと考えれば、単純にキツい作業であったことは想像に難くないが。
ちなみに、1,048,576は2の20乗である。2の16乗が65,536であることを思うと、指数関数的増加の威力のほどが伺える。

ハクメイとミコチ

どストライク。
面白くないひとには面白くないかもしれない、たぶん人を選ぶであろう作品。一年に一回くらいのペースでしか発刊されないのが非常に惜しい。一巻が出た頃からイチオシだが、さいきんメジャになってきて、なんだか複雑な心境です。

ゆったりと流れていく日常と、しっかりとした世界、全編を覆うゆるやかな雰囲気がとても魅力的な作品です。丁寧に重ねられた語りが、作品に重厚さを与えています。私が紙で購入する、数少ない書籍のひとつです。電子版も悪くないですが、この作品だけは、「本」を手に取りたいと思います。